パンデミックのグローバル史資料整理2:
Guido Alfani (Translated by Christine
Calvert), Calamities and the Economy in Renaissance Italy: The Grand Tour of
the Horsemen of the Apocalypse, New York 2013(原著は2010).
ここでは、前回に続き、本書では疫病に関連することはどこに(何ページ、何章)どのように言及されているのか紹介する。
第3章(79頁-111頁)でペストに関して記述される。一部チフスへの言及あり。
本章は対象とする時期を以下のように区分
①イタリア戦争からSan Carloのペスト(1575-1577)まで
②San Carloのペストから16世紀末の疫病まで
特にイタリア北西部サヴォア公国イヴレーア市に関する記述多し。公的保健行政のひっ迫、人的、経済的な打撃に注目している。
・ペストの発生年、都市、発生状況、被害状況について
本章の本文中に発生年と都市名の言及がある。網羅することは困難であるため、Excelの表には記入せず。作成者が本文から抽出できた情報は以下。
1499年Rome, Marches, Ferrara, Fiesso, Ravenna, Forli
1500年Siena, Verona
1501年Genoa, Como, Modena
1502年Milan, Lombardy
1503年Venice, Placenza, Rome, Ferrara
1504年Rome, Reggio Emilia
1505年Perugia, Recanati, Florence, Bologna, Verona周辺の都市, Ferrara, Rome
1504-05年Parma (Romani, 1975)
1505-06年Cremona(ペストではなく、petechial typhus)
1506年Venice、petechial typhus
1575年イタリア半島にぺスト再登場、トリエントとシチリア、異なるルートの可能性大
同時代の年代記によれば、シチリアにはBerberiaからの海賊船を通じて敷布carpetや羊毛製品の積み荷とともに上陸
SciaccaからPalermo, Messina(1578年までに)、そして半島全域に、Trapani(シチリア最西端)でも確認される
1574年9月トリエント、ペスト登場
1575-1577年北イタリアの大部分で、ただしLiguriaでは1578-79年
死者数:ミラノで17329名、Bresciaで約2万名、ヴェネツィアで46721名
河合竜太
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